■5バックへの変更で逃げ切りをはかる
45分+3分だった。敵陣やや右サイドで直接FKを得え仙台は、中島がファーサイド寄りへクロスを供給する。ゾーンで対応する相手守備陣の間で、制空権をつかんだのはCB菅田真啓だ。しっかりとインパクトしたヘディングシュートが、ゴール右下隅に突き刺さった。J2トップクラスの中島のキック精度と菅田の高さを生かしたセットプレーも、攻撃の狙いのひとつだ。
1点リードで迎えた後半も、仙台は粘り強く戦っていく。1対0のまま試合を進めていき、78分にまたもワンチャンスを得点に結びつける。ドリブルでねばったMF相良竜之介がペナルティエリア内左からクロスを入れると、FW中山仁斗がドンピシャの左足のジャンピングボレーでゴールネットを揺らす。70分に途中出場したふたりが、見事に得点に絡んだ。昨シーズンわずか2得点に終わった中山が、2試合目でシーズン初得点を奪ったのはチームにとって大きい。
85分に1点差に詰め寄られると、森山監督は188センチのDFマテウス・モラエス、DF知念哲矢を送り込む。モラエスは最終ラインに入って5バックとなり、CBが本職の知念はダブルボランチの一角を占める。ハイクロスへの対策を万全にして、最終盤の時間帯を乗り切った。
試合後の森山監督はフラッシュインタビューで、「ホッとしたと言うか」と切り出し、「最後はこちらも大きい選手を投入して、何とかしのぎきって。まあ、かなり戦ってくれましたね」と、チームのパフォーマンスを讃えた。
J1昇格候補にあげられる大分トリニータ、長崎とのアウェイ連戦で、勝点4をつかんだのは上出来と言っていい。次はいよいよホーム開幕戦だ。
やりたいことを追求するだけでなく、その時々でやるべきことを徹底する。森山監督のもとで、仙台が変わりつつある。