【J2「変化」】ベガルタ仙台、FW中山仁斗のドンピシャ「左足ジャンピングボレー」決勝点で勝利 “やるべきことを徹底する”森山佳郎監督体制での“違い”【戸塚啓のJ2のミカタ】(2)の画像
長崎戦で決勝ゴールを決めた仙台FW中山仁斗  撮影/中地拓也
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■アウェイ連戦の仙台は前半終了間際に先制

 やりたいことができなくても、やるべきことをやる。

 J2リーグ第2節が3月2、3日に開催され、ベガルタ仙台V・ファーレン長崎のホームへ乗り込んだ。前U-17日本代表指揮官の森山佳郎監督が指揮する仙台は、シーズン初勝利を目ざす戦いだ。

 仙台は新外国人FWエロンが初出場となった。4-4-2で「2」が縦関係になるシステムで、このブラジル人FWが頂点に立つ。176センチで馬力のある突破が持ち味の彼は、ポストプレーで起点になるよりも、背後への動き出しで攻撃の矢印を浮かび上がらせる。

 さらには2列目左サイドに、MFオナイウ情滋が指名された。右サイドを本職する快速アタッカーは開幕節でアシストを記録し、後半途中から左サイドへポジションを移していた。

 オナイウの左サイド起用は、その推進力を生かしたチャンスメイクをイメージしたものだったはずだ。オナイウの突破力を生かして左サイドから崩し、エロンやセカンドトップのFW中島元彦、さらには2列目右サイドの郷家友太がフィニッシュに飛び込んでいく、というものだ。オナイウとエロンによるカウンター発動も、攻撃の狙いに含まれていたに違いない。

 J1昇格候補にあげられる長崎を相手に、守備の時間が長くなることは想定内だっただろう。ボールを握られながらも決定機は許さず、30分過ぎから少しずつ敵陣への侵入回数を増やしていく。

 そして、前半アディショナルタイムにワンチャンスを生かす。

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