【C大阪戦から見えた「ポポヴィッチ鹿島」の今(1)】「これが鹿島だな」と毎熊と香川も相手の底力を痛感。10年前の指揮官・ポポヴィッチ監督率いる鹿島をセレッソ戦士はどう感じたかの画像
鹿島アントラーズのランコ・ポポヴィッチ監督 撮影:中地拓也

 2月24日の2024年J1開幕戦で名古屋グランパスを3-0で一蹴し、首位発進した鹿島アントラーズランコ・ポポヴィッチ監督率いる新体制の進化が本物か否か。それが問われるのが、3月2日のホーム開幕戦・セレッソ大阪戦だった。

 セレッソと言えば、2014年にポポヴィッチ監督が指揮を執った古巣。10年前の彼らは世界的名FWディエゴ・フォルランを補強し、当時日本代表柿谷曜一朗(徳島)、山口蛍(神戸)、若き成長株・南野拓実モナコ)らを揃えたスター軍団だったが、開幕から全く結果が出ず、ブラジルワールドカップ(W杯)開幕直前に早々と解任の憂き目に遭ってしまった。

「あの時は責任を全部ポポさんに取らせる形になってしまった。すごく申し訳なかった」と当時の守護神・キム・ジンヒョンも改めて述懐していた。その当時を知るのは小菊昭雄監督、高橋大輔コーチ、山下達也くらいだが、彼らの中では「再会した指揮官に成長した姿を見せたい」という思いもあったはずだ。

 試合が始まると、セレッソは連動した組織的プレスとパス回しとタテへの推進力で鹿島を圧倒。前半は完全に主導権を握る形になる。鹿島はボールを奪えず、守備に忙殺され、フィニッシュまで辿り着けない。前半のシュート数ゼロというのは屈辱的だっただろう。

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