■主力組とリザーブ組に与えた「交代なし」の影響

 20チームで争われる今シーズンは、試合数も「34」から「38」に増えた。さらに長丁場となった戦いを見すえて、大橋を加えたチームをより熟成させる時期として、開幕直後の実戦をあてているのではないだろうか。

 交代カードをひとつも切らなかった采配も、主力組の自覚をより高め、リザーブ組のモチベーションを高めると考えればうなずける。指揮官はFC東京戦後のロッカールームで、開幕連勝を果たしたチームがゼロになったと選手たちに告げている。

 大混戦を物語る幕開けとなった今シーズンのJ1リーグで、ドイツ代表のヘッドコーチを務めた経験を持つ、来日3シーズン目の58歳のスキッベ監督が巡らせている深謀遠慮ぶりが、選手起用を含めた采配を通して際立っている。

(取材/文・藤江直人)

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