■独立運動が起きた「背景」
そして、1919年の3月1日に大規模な独立運動が起こったのです。
京城の中心部で「独立宣言」が読み上げられ、パゴダ公園に集まった数千人の学生たちが「独立万歳」を唱えてデモ行進を始めました。この運動は全国に広がりましたが、日本軍によってたちまち鎮圧されてしまいます(犠牲者の数は数百人とも数千人とも言われています)。
日本による「併合」から9年が経過していました。
この間、ヨーロッパでは第1次世界大戦が勃発。アメリカのウッドロー・ウィルソン大統領が「民族自決」を唱え、オーストリア帝国やトルコ帝国の支配下にあった東欧の多くの少数民族が独立を果たします。また、戦争中に「スペイン風邪」と呼ばれるインフルエンザによる世界的なパンデミックが起こり、朝鮮でも多くの人々が亡くなりました。さらに、1919年2月21日には朝鮮王朝(李氏朝鮮)の第26代国王であり、大韓帝国初代皇帝となった高宗(コジョン)が崩御しました。
独立運動には、そんな背景もあったのでしょう。