■現在のサッカーの聖地は「2代目」
ウェンブリー・スタジアムはロンドンの北東部、ブレント区のウェンブリーにあるサッカー専用スタジアムである。9万人を収用する世界屈指の名スタジアムだ。しかし、特定のクラブのホームというわけではなく、特定の試合にしか使用されないため、「サッカーの聖地」とまで言われている。
ロンドンの都心部からは、地下鉄(英国ではundergroundという)のメトロポリタン線、あるいはジュビリー線で20分ほどの「ウェンブリー・パーク」駅から歩くのが最もポピュラーなアクセス方法である。駅を出て階段を降りると、幅30メートルほどの歩行者専用道路がスタジアムまで、まっすぐ約600メートルにわたってのびている。現在のウェンブリーの象徴である巨大なアーチが、駅を降りるとすぐに見えてきて、一気に気分が盛り上がる。
このアーチをシンボルとするスタジアムは「2代目」で、2007年に完成した。「初代」は1923年に完成し、2000年に最後の試合を行い、2003年までに解体された。新旧合わせて100年を超す歴史のなかで、ウェンブリー・スタジアムは数多くの伝説的な試合を生み、文字どおり「サッカーの聖地」となったのである。