■エッフェル塔を上回る「358メートルの鉄塔」
20世紀初め、ここにはパリのエッフェル塔を上回る高さ358メートルと計画された鋼鉄製の「ワトキンズ・タワー」の建設地だった。だが、資金の不足により、タワーが47メートルの高さになったところで工事中止になり、結局1907年に解体撤去された。その跡地に建てられたのが、「初代」のウェンブリー・スタジアムだった。
1924年から1925年にかけて行われた「大英帝国博覧会」の中心会場として建設され、当初の名称は「帝国博覧会スタジアム」、あるいは短く「帝国スタジアム」と呼ばれた。当初の計画では万博終了後に解体する予定だったが、ドッグレースの施設として残され、サッカースタジアムとしても継続されることになった。