2024年のJリーグが開幕した。J1では10試合が行われ、それぞれ熱い戦いが繰り広げられた。開幕節から浮かび上がった今シーズンの行方、そして優勝候補や降格チーム、新天地を求めた選手たちを、サッカージャーナリスト重鎮の大住良之と後藤健生がズバリ徹底分析する。
■湘南「素晴らしかった」前半45分間
――開幕節は、どの試合を取材されたんですか。
大住「僕は土曜日に湘南ベルマーレ対川崎フロンターレ、日曜日に東京ヴェルディ対横浜F・マリノスを取材した」
後藤「僕は土曜日は大住さんと同じ試合で、日曜は柏レイソル対京都サンガF.C.。質実剛健、激しいぶつかり合いで、京都のチョウ・キジェ監督は“こういう試合が好きなんだ”って言っていましたよ」
――おふたりとも取材された湘南対川崎は、どんな試合でしたか。
大住「後半にちょっと疲れた感じがしたけど、前半の湘南はすごく良かった。湘南と言えばお家芸のように3バックを続けてきたけど、新たに4バックのフォーメーションに挑戦していた。とにかく、前からプレスをかけにいこうという意図が明確に見えて、前半45分間は素晴らしかった」
後藤「90分間を通しても、どちらかに判定の旗を上げろと言われたら、僕は緑の旗(湘南ベルマーレ)を上げただろうな」
大住「そうだろうね。ゴールが決まったかに見えたけど、阿部浩之のお尻が出ていたと判定されて取り消された場面は気の毒だったよね」
後藤「そうそう。あのくらいいいじゃないかと思うけどね。失点だって、GKがちょっとミスしたところを川崎のエリソンにかっさらわれて、気の毒なものだったしさ」