■伸びしろはJ1トップ
しかし、広島にとってはそこが狙い目だったのだろう。前半から渡邊のところを狙い撃ちするようなサイドチェンジやタテパスを多用。浦和の左の上がりを封じ、主導権を握ることに成功。大橋祐紀の2ゴールによる勝利に持ち込んでいる。
ヘグモ監督が3月3日の東京ヴェルディ戦に向けてどのような修正を図ってくるかが見ものだが、浦和にはまだベールを脱いでいないソルバッケンがいるし、サンタナやグスタフソンも調子を上げてくるはず。松尾や前田直輝といった槍のようなアタッカー陣ももっと推進力を出せる。伊藤敦樹ら既存メンバーもギアを上げることが可能だ。伸びしろはJ1トップと言ってもいい陣容だけに、ここからが本番。広島戦の反省を生かすことが肝要だ。
一方の名古屋は鹿島に対し、あまりにもアッサリやられ過ぎた印象だ。最大の問題点は守備陣。昨季の主力だった中谷進之介がガンバ大阪、藤井陽也がコルトレイクへそれぞれ移籍。丸山祐市も川崎へ赴く中、最終ライン再編の必要性が生じ、ハ・チャンレを補強。既存の野上結貴、河面旺成とコンビを組ませるべく準備を進めてきたはずだった。
けれども、ハ・チャンレと河面が揃って負傷。開幕は井上詩音と三國ケネディエブスが先発することになった。その2人がシャヴリッチの2点目に絡むなど低調なパフォーマンスを露呈。「僕がマークについた選手に簡単に剥がされてしまった」と三國も反省しきりだったが、それでは長谷川監督の目指す堅守速攻のスタイルは具現化できない。ハ・チャンレと河面の復帰待ちというところもあるだろうが、まずは手堅い守備を確立させるところから取り組むべきだろう。