■「いつか食われるかも、という感じがしていた」
ビルドアップに加わろうと、小泉も頻繁にポジションを下げた。ベンチで戦況を見つめていた37歳のベテラン、FW興梠慎三は「これは危ない」と感じたという。
「佳穂が狙われていた。あの展開でポジションを下げるのではなく、前で張ってボールを受けない、というのもひとつのやり方だった。実際にギリギリでかわした場面もあったし、いつか食われるかも、という感じがしていたので」
興梠の悪い予感が的中したのは、後半開始から7分あまりが経過したときだった。
(取材・文/藤江直人)