■「蹴らざるを得ない展開が続いて……」
ならば、清水エスパルスから加入した2022シーズンのJ1得点王、1トップのチアゴ・サンタナにロングボールを預ける。しかし、サンタナのマーク役だった荒木隼人にことごとく潰され、セカンドボールの奪い合いでも後塵を拝し続けた。
「相手のプレスも90分間もたないので、緩んだところでどれだけボールを保持して点を取れるか、ゲームの主導権を握れるか、というところでしたけど……」
こう振り返った小泉によれば、ネガティブな感情がチーム内に芽生えたという。
「蹴らざるを得ない展開が続いて、それはあるていど織り込み済みだったんですけど、そこにストレスを感じてしまった部分がチームとしてあったのかな、と。それでちょっと迷いが生じたところで曖昧になって、先に失点してしまった」
迎えたハーフタイム。西川を起点に短いパスでビルドアップしていく形を徹底しようと確認しあった。それを見透かすように、広島がプレスの強度を上げてきた。実際に後半開始直後には、敵陣へボールを運べない時間が1分あまりも続いた。