【川崎がJ王者・神戸相手に11人を入れ替えて勝利したワケ(1)】有言実行の“完全ターンオーバー”の裏にあった入念な準備……「計算も立つ」と感じさせた直近の練習内容の画像
川崎フロンターレの神戸戦での先発メンバー。13日の試合からは11人が入れ替わった 撮影:中地拓也

 2月17日、川崎フロンターレは前年度・天皇杯王者として前年度・J1リーグ王者のヴィッセル神戸と対戦。国立競技場で5万人以上が見守ったこの試合を1-0で勝利した。

 有言実行のターンオーバーだった。この試合前日に行われた会見で、鬼木達監督が先発する選手の大幅な入れ替えを示唆。いざ蓋を開けてみれば、GKも含む11人全員が前の試合から変わっていた。

 その試合とは、ACLラウンド16の第1戦。中国で戦った山東戦で、移動に大きな時間を割かなければいけなかった試合だ。ゲーム内容も3-2とタフな展開となっただけに、フレッシュさで考えればターンオーバーは必然の戦い方だった。

 とはいえ、これほど大胆な入れ替えをすれば連携に課題が出て苦戦するイメージがあるが、序盤から川崎は狙いを持った攻撃を見せた。守備でも、大迫勇也と中心とする神戸の攻撃もしっかりと封じてみせたことで、次につながる試合となったはずだ。

 一方で見逃せないのは、沖縄キャンプ中の対外試合の戦い方だ。沖縄県内で行われたキャンプにおいて6つのトレーニングマッチを実施するとともに、連日、多くのミニゲームを実施していた。その中で、この神戸戦でのメンバーを示唆するような組み合わせも見られていた。それは、過密日程を見越して複数パターンのチーム作りも視野にしているかのようにも見えた。

  1. 1
  2. 2