■反日感情が強い重慶
グループリーグの舞台は、中国内陸部の重慶直轄市でした。
中国(中華人民共和国)は23の省と5つの自治区に分けられ、省の下に市や県が置かれていますが、とくに重要な市は「直轄市」として省と同格の存在とされています。現在は首都・北京のほか、上海、天津、重慶が直轄市となっています。重慶は4つの直轄市の中でも最大の面積を有し、人口は3000万人を超えています。
「人口3000万人強」というと、ペルーやマレーシアと同じくらい。日本の人口の約4分の1が重慶市に住んでいるということになります。
1937年に日中戦争が始まると、日本軍は当時の首都だった南京を占領。中華民国は首都機能を重慶に移動させ、日本軍は重慶に対して無差別爆撃を敢行します。
「無差別爆撃」というのは、軍事的な目標ではなく民間人の住宅が建ち並ぶ都市部に対して行う爆撃です。そのため、重慶では中国の中でもとくに反日感情が強かったのです。