【J1王者・ヴィッセル神戸の24年シーズンの進化と課題(2)】井手口陽介加入で図られる戦術幅の拡大で、“大迫の起点スタイル”からの脱却へ……攻守時に中盤の形を変化の画像
インテル・マイアミ戦で途中出場したヴィッセル神戸の井手口陽介 撮影:中地拓也

 2月7日のインテル・マイアミ戦では、新戦力のオビ・パウエル・オビンナ新井章太宮代大聖、復帰組の岩波拓也らが新天地デビューを果たしたヴィッセル神戸。このうち、ひと際、注目されたのが、元日本代表井手口陽介だった。

 ご存じの通り、井手口はヴァイッド・ハリルホジッチ監督時代の日本代表では中盤の主力級に位置づけられた選手。2018年ロシアワールドカップ(W杯)アジア最終予選の大一番だった2017年8月のオーストラリア戦(埼玉)では、ダメ押しとなる2点目をゲット。W杯切符獲得の原動力となっている。

 翌2018年1月にはリーズ・ユナイテッドへ移籍。すぐにスペインのクロトゥラス・レオネッサへレンタル移籍するも、思うように出場機会を得られず、直後のロシアW杯も落選。翌シーズンはグロイター・フュルトへ2度目のレンタルに出るも成功を収められず、1年後の2019年夏にはガンバ大阪へ復帰した。

 それから2年半後の2022年1月にはセルティックへ。再び海外挑戦に赴くも、またも出番を得られず、昨年2月にはアビスパ福岡で再起を図った。その福岡にYBCルヴァンカップ獲得に貢献し、今年からJ1王者の神戸へ。今度はリーグ連覇とAFCチャンピオンズリーグACL)優勝を目指すことになったのである。

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