【アジアカップで日本代表の惨敗を招いた”熱量の差”とは(1)】なぜ”熱量の差”は引き起こされるのか――「勝つためにどうするか」から「いかに勝つか」への意識の画像
イラン戦後に悔しそうな表情を見せるサッカー日本代表の選手 撮影:中地拓也

 熱量の差――。

 準々決勝で敗れた日本と、それ以上に勝ち上がった国の差を表す1つのワードになっている。この言葉が抽象的な意味で独り歩きしてしまうのは少々、危険にも思うが、決して的外れでないことはイラン戦などで選手が体感したことを聞いても明らかだ。

 それでは”熱量の差”というのはどういった理由で発生してしまったのだろう。それにはサッカーにおけるモチベーションを分析的に探る必要がある。基本、選手が試合に臨むにあたり”気持ちがない”ということはあり得ないと考えている。ただ、やはり同じチームでも試合によって気持ちが伝わらないことがあるのは日本代表に限らず、Jリーグのサポーターは分かるはず。

 今回の日本代表にとって”熱量の差”を生み出す大きな罠となっていたのが”世界基準”だ。この言葉自体はカタールW杯の前にも使われていたし、アジアで戦っていても、日頃から世界を意識しないといけないということは言われていた。

 しかし、いざアジアカップや最終予選の戦いになれば、多くの試合は簡単ではなく、負けたり苦しめられたりというのは”第一次・森保ジャパン”で何度も経験してきたことだ。

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