■「勝つためにどうするか」から「いかに勝つか」に
そこからカタールW杯でドイツ、スペインを破り、ラウンド16でクロアチアにPK戦負けしたものの、いかに”世界基準”で戦うかということに”第一次・森保ジャパン”はフォーカスして戦ってきた。それと並行して、選手たちは所属クラブで個の力を上げることに意識を向けて、この1年間でステージを上げた選手も少なくない。
ただ、そうしたサイクルの過程で巡ってきたアジアカップという大会が、通過点になってしまったことは否めない。もちろん森保監督は前回大会で準優勝に終わったアジアカップにおいて、簡単な試合など1つもないことは強調していた。しかしながら、カタールW杯と決定的に違ったのは日本が断然の優勝候補として大会に臨まなければならなかったこと
大会前の大手ブックメーカーでは2.5倍ほどで、2、3番人気の韓国や開催国カタールでも5、6倍だったことを考えると、いかに日本が優勝候補として本命視されていたかが分かる。それが良い意味での緊張感などになるなら良いが、アジアカップの目標が「勝つためにどうするか」から「いかに勝つか」に向いてしまったように思う。