■韓国戦を避けた理由

 日本が敗れたのは12月15日でしたが、翌日にも準々決勝2試合がありました。ドバイでは韓国対イラン、アブダビではサウジアラビア対中国。当然、韓国対イランのほうが面白そうです。

 しかし、僕はアブダビでの試合を選びました。

 もちろん、アブダビに泊まっていたので「移動が楽」という理由もありましたが、最大の理由は韓国の試合を見に行ったら、前日の日本の敗戦について何か言われそうだったからです。

 当時は、2002年ワールドカップの招致争いなどがあったので、取材でしょっちゅう韓国に行っていましたから、大韓蹴球協会にも、記者団にも顔見知りがたくさんいたのです。だから、彼らに「ああ、日本チームは残念でしたねぇ」とか言われるのが嫌だったのです。

 ダービーマッチで同じ町のチームに負けるのが悔しいのと似たような心理ですね。

 ところが、韓国は金度勲(キム・ドフン)、申台龍(シン・テヨン)のゴールで2点を先行したものの、カリム・バゲリ、ホダダッド・アジジに得点を許して同点とされ、さらにアリ・ダエイに4ゴールを叩き込まれて2対6という大敗を喫してしまいました。

 しまった! そうと知っていれば、ドバイまで行って、韓国人たちを慰めてやればよかったのに……。

 ちなみに、韓国の2点目を決めた申台龍は、現在はインドネシア代表の監督をしているようです。

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