後藤健生の「蹴球放浪記」第198回「しまった。韓国戦を見に行っておけばよかった!」の巻(2)イラン戦「6失点大敗」の韓国代表で気を吐いた現インドネシア代表監督の画像
石油噴出前の湾岸地域の主要産業は真珠。1996年アジアカップの大会マスコットも真珠貝 提供/後藤健生

 サッカー日本代表は現在、カタールでアジアカップを戦っている。このアジア最強国を決める大会を、蹴球放浪家・後藤健生は何度も取材してきた。アジアカップのさまざまな楽しみ方をつづる。

■セルビア人監督と知り合う

 さて、C組に入った日本代表はアルアインでグループリーグ3試合を戦いますが、僕はアブダビに滞在しました。どうせ、日本の試合がないときには他のグループの試合を見に行くのですから、どこに泊まっていても同じです。で、ドバイは前年に滞在済みでしたから、今回は連邦の首都、アブダビに滞在してみたのです。

 巨大なアラビア半島からアラビア湾(ペルシャ湾)に向かって突き出した半島部にあるアブダビ市街地。その最も海側に並んでいる高層ビル群の一角にあるホテルの一室で、僕は原稿書きと宛名書きに勤しんだというわけです。

 このホテルで知り合ったのが、セルビア人のゾラン・ジョルジェビッチでした。

 ゾランは中東を中心にアジア、アフリカ各国の多くのクラブで監督を務め、バングラデシュ代表や南スーダン代表を率いたこともあるコーチですが、1996年当時はドバイにあるアル・ナスルの監督でした。で、アジアカップの試合を視察にアブダビにやって来ていたのでしょう。

 そのゾランとどうやって知り合ったのか、まったく覚えていないのですが、たぶん、食事でもしているときに日本人ジャーナリストだというので声をかけてきたのでしょう。

 ユーゴスラビア系の人全般に言えることですが、とにかく押しが強くて、よくしゃべります。おそらく「日本に行ってJリーグの監督にでもなりたい」と思い、そのコネ作りのつもりもあったのでしょう。日本に帰国してしばらくすると、ゾランから大量の経歴書がFAXで送られてきました。

 ゾランとはその後も長い付き合いとなり、1997年にはサウジアラビア入国の手伝いをしてもらいましたし(「蹴球放浪記」第11回「ジッダ空港放置プレー」の巻)、2011年の東日本大震災のときには、「セルビアにある家は空き家になっているから、避難して来るなら使っていいゾ」という温かいお言葉もいただくことになりました。

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