■後半に反撃に出た広島
ところが、20分過ぎにその安藤が相手選手との接触で膝を傷めて交代を余儀なくされてしまった。浦和にとっては、大きな痛手だった。
しかし、それでも浦和の攻勢は続き、42分には相手DFのクリアを猶本が胸で収めて左足で浮かせ、右足でコントロールして放ったシュートが美しい放物線を描いて、ファーサイドの右上隅に決まって浦和のリードは2点に広がった。
浦和の楽勝ムードだった。
ところが、前半のアディショナルタイムに左ウィングバックの中嶋淑乃からのクロスを逆サイドのWB立花葉が決めて広島が1点を返した。
そして、後半に入ると広島は恐がることなくボランチにパスを預け、そこからワンタッチ、ツータッチのパスをリズム良く通して反撃に移った。さらに、浦和の攻撃の中心選手である猶本も膝を傷めて交代。浦和は中心選手2人をケガで欠くことになったのだ。
こうして、後半は前半とは逆に広島が浦和を押し込む展開となり、61分にやはり左の中嶋が入れたボールを立花が折り返し、最後は瀧澤千聖のヘディングが決まって2対2の同点となり、2対2のまま延長戦に突入した。
そして、延長前半に広島が中嶋のゴールでリードしたが、延長後半に浦和の清家貴子がヘディングを決めて再び同点。PK戦では浦和の元日本代表GK池田咲紀子が相手のキックを2本ストップ。自らもキックを成功させて浦和が決勝にコマを進めた。