■W杯優勝メンバーの力

 前半は完全に浦和がゲームを支配した。

 開始6分にMFの柴田華絵がドリブルで持ち上がり、この日ワントップとして起用された若い島田芽依に渡って最初のチャンスをつかんだ浦和。その後も、島田のドリブルシュートや右からのクロスに合わせた安藤梢のヘディングシュートなど攻撃を続け、19分には猶本光が蹴った左CKにDFの高橋はなが合わせてヘディングシュート。ゴールライン上にいた安藤が触って先制点となった。

 高橋のシュートコースにはDFが立っていたから、安藤が触らなかったらクリアされていたかもしれないが、いずれにしても安藤にとってラッキーなゴールだった。

 安藤はもともと俊足のFWであり、2011年のワールドカップ優勝メンバーの1人だ。

 しかし、この2シーズンは浦和のチーム事情からセンターバックとして起用されており、慣れないポジションながらチームに貢献。昨シーズンはWEリーグのMVPにも選ばれていた。

 だが、ようやくDFラインが揃ったことで最近はアタッカー(左のサイドハーフ)で起用されるようになり、1月7日に行われたWEリーグ第7節の大宮アルディージャVENTUS戦、そして皇后杯準々決勝のジェフユナイテッド市原・千葉レディース戦と2試合連続で2ゴールを決めていた。

 広島戦の先制ゴールの場面もそうだが、ボールがどこに転がってくるのかという予想が素晴らしい。そして、ボールが来れば落ち着いて相手ゴールに流し込むのだ。

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