女子サッカーの日本一を決める皇后杯は、残すところあと1試合となった。決勝までの道のりを振り返ると、日本の女子サッカーの発展の軌跡が見えてくる。変化の胎動を、サッカージャーナリストの後藤健生が読み解く。
■頂上決戦の実現
1月27日に大阪のヨドコウ桜スタジアムで行われる、第45回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会決勝の対戦カードが決まった。
三菱重工浦和レッズレディース対INAC神戸レオネッサ――。
浦和は一昨年の皇后杯の優勝チーム。そして、WEリーグでは昨シーズン、初優勝を遂げている。一方、I神戸は昨年の皇后杯準優勝チームで、WEリーグ初年度(2021/22シーズン)の優勝チームでもある。
今シーズンのWEリーグでも(まだ7試合を消化しただけだが)I神戸が5勝2分の勝点17で首位。浦和は5勝1分1敗の勝点16。まさに、現在の日本の女子サッカー界のトップ同士の対戦。“頂上決戦”が実現したわけである。
しかし、1月20日に京都府亀岡のサンガスタジアムで行われた準決勝は、両チームとも「簡単な勝ち上がり」というわけにはいかなかった。
浦和は、準決勝でサンフレッチェ広島レジーナと対戦した。広島はリーグ戦では現在8位と低迷しているが、リーグ開幕前に行われたWEリーグカップでクラブとして初めてのタイトルを獲得している。