■「不運な失点」ではない
セットプレーといえば、ベトナム戦ではセットプレーから2失点を喫した。
1点目は、グエン・ディンバックがバックヘッド気味に額に当てたボールが浮いて、日本のゴールに吸い込まれるというラッキーなゴールだった。グエン・ディンバックとしては、まさかあのコースを狙ったわけでではないはず。
従って、ベトナム側から見ればかなり幸運なゴールだった。
だが、日本サイドから見れば、ニアでほとんどフリーでヘディングをさせてしまったのだから、けっしてあれは「不運な失点」ではない。
世界の強豪国の選手だったら、あの位置でフリーでヘディングさせたら、しっかりと「狙い通りに」決めることができるはずだ。
2失点目もそう。FKに対して、ファーサイドでベトナムの2人の長身選手が飛び込んできたところで、日本の選手は誰も競っていなかったのだ。GKの鈴木彩艶が触ったのだから、相手にシュートされない場所までボールを弾いておくべきだったが、一番の問題は相手の長身選手、ブイ・ホアンベトアンをフリーにしてしまったところだ。
攻撃のセットプレーのパターンを構築すると同時に、セットプレーの守備についても早速見直しが求められることになった。