■精神的な余裕が不可欠な存在に
南野が後輩を守ろうとするのも、過去に長友や吉田、大迫勇也(神戸)らに励まされ、自らを奮い立たせてきたことがあったからに他ならない。彼らの上の世代が2022年カタールW杯を機に去り、リオデジャネイロ五輪世代が年長者となった今、南野は先輩から引き継いできたことをやらなければいけないという意識を強めているのではないだろうか。
それだけ精神的にも余裕が生まれたということ。周りを見つつ、よさを生かし、自分自身も生きるという器の広さを身に着けた背番号8は第2次森保ジャパンに不可欠な存在になった。2023年の半年間、代表から離れ、チームや自分自身を客観視したこともプラスにして、南野はここから今一度、高みに上り詰めていくはずだ。
今回のアジアカップが「南野の大会だった」となるように、ここからも結果を出し続け、前回立てなかった頂点へけん引していくことができれば理想的。そうなるように、彼にはさらなるブレイクを期待したい。
(取材・文/元川悦子)