冬の風物詩である、全国高校サッカー選手権大会が終了した。青森山田高校の優勝で幕を閉じたが、見るべきものは多かった。実り多き第102回大会をサッカージャーナリスト後藤健生が振り返る。
■U-18年代の最強チーム
1月8日に東京・国立競技場で行われた第102回全国高校サッカー選手権大会決勝で近江高校を破って2大会ぶり4度目の優勝を遂げた青森山田高校。すでにプレミアリーグ・イーストでも優勝し、プレミアリーグ・ファイナルではサンフレッチェ広島FCユースを破っており、これで「2冠」を達成。青森山田が2023年度のU-18年代最強チームだったことは間違いない。
そのベースにあるのが持ち前の守備力だ。
前線から激しくプレッシャーをかけて相手の攻撃を制限し、高い位置で奪ったボールを生かしてのショートカウンターが武器になった。
J1リーグでもヴィッセル神戸がこうしたカウンタープレスのサッカーで覇権を握ったが、青森山田も「カウンタープレッシング」という現在の世界のサッカーの潮流に沿ったチームだった。
そして、もう一つの大きな武器がセットプレー。
セットプレーではそれぞれ190センチ、182センチという小泉佳絃と山本虎の両CBがFKやCKのターゲットとなった。
また、左SBの小沼蒼珠もフィジカル能力に優れ、そのロングスローは球速もあって、相手チームに脅威を与え続けた。