■ボランチでのプレー経験のある選手たち
板倉も東京五輪の代表チームでボランチとして使われていたが、現時点でより考えられるのは4ー3ー3での谷口のボランチ起用だ。もちろんキャプテンの遠藤がファーストチョイスとなるが、谷口を中盤に上げられるというのはボランチの枚数を削る1つの理由であるはずだ。
また、谷口は4バックであればおそらくセンターバックの3、4番手だが、3バックを使う場合はその中央でのスタメン候補になる。渡辺はこのメンバーの中ではセンターバックの専門性が高いが、3バックでは中央もワイドもできるという柔軟性が選考材料になったのではないか。
そして、特に言及されていないが、右サイドバックの菅原はボランチ経験があり、左サイドバックの中山も板倉と同じく、五輪世代まではボランチで使われることが多かった。そうした後ろのメンバーのポリバレント性を頼りに、前線のオプションを可能な限り増やしたのが今回のメンバーだ。
大会中には怪我や警告、退場など、さまざまなアクシデントを想定しながら戦う必要はあるが、決勝までの7試合、高いベースを維持しながら森保監督が勝負のカードを切っていくことが期待できる。
(取材・文/河治良幸)