タイ戦で新たな可能性を示した堂安律(フライブルク)。彼にとってアジアカップ参戦はご存じの通り、2度目となる。
前回の2019年UAE大会を改めて振り返ると、堂安はA代表に定着して間もない頃。冨安健洋(アーセナル)とともにチーム最年少だった。にもかかわらず、南野拓実(モナコ)、中島翔哉(浦和)とともに「三銃士」と位置づけられ、エース級の働きを求められた。しかも中島が大会直前に負傷離脱してしまったのだから、さらに責任が大きくなった。
その重圧を感じたせいか、堂安は7試合中6試合に先発しながら、奪ったゴールはトルクメニスタン戦とベトナム戦の2点だけ。大迫勇也(神戸)のケガもあって、日本は得点力不足に苦しんだ。そして最終的には決勝でカタールに敗戦。タイトルを逃す結果になってしまう。堂安にとってはホロ苦い大会になったのは間違いない。
さらに言うと、2019年アジアカップ以降、彼自身の代表での位置づけが不安定になっていった。自身は2019年夏に赴いたPSVでコンスタントな活躍が叶わず、当時所属のゲンクでUEFAチャンピオンズリーグを経験して一気に飛躍した伊東純也(スタッド・ランス)にポジションを奪われる形に。そのまま2022年カタールワールドカップ(W杯)を経て、現在に至っているのだ。