【タイ戦で先発の伊藤涼太郎が日本代表に懸ける思い(1)】「ここまで長かったなというか、思い描いたようなプロサッカー人生を送れなかった」嚙みしめるように発した言葉の画像
12月31日の公式練習で、国立競技場のピッチで調整するサッカー日本代表の伊藤涼太郎 撮影:中地拓也

「公開した通り、基本的には練習で見ていただき、予想メンバーは大体のところはもうおわかりになるかなっていうトレーニングはしました。という感じでよろしいでしょうか(笑)?」

 サッカー日本代表森保一監督が、こういう言い回しで1月1日のタイ代表戦での伊藤涼太郎の先発を明かしたのは12月31日の会見だった。30日、通常は非公開とするフォーメーション練習をすべて公開。その中で伊藤涼太郎はトップ下に入っており、ベルギーリーグで研さんを積む25歳がついにA代表デビューをすることになった。

 今年6月に海外移籍するまで国内のクラブを渡り歩いた伊藤は、アルビレックス新潟でその才能の出し方を見つけた。そしてクラブをJ1に引き上げ、トップリーグでチームが定着する過程において、その攻撃力を存分に発揮。日本代表待望論が巷で多く出た。

 そんな時を経て初招集となった今回。伊藤は代表での活動を「やっぱりレベルが高いし、そういった選手と同じピッチでやるってことは、いろんなイメージを共有できると思うので、僕自身試合がすごい楽しみ」と語った。

 まだ半年ではあるが、すでに成長を実感した部分もある。「やっぱり走るところ、今まで自分の弱点だった守備への貢献などは、海外に行ってから自信につながっている」と言うのだ。

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