■南野のトップ起用はあるか
実際、アジア相手の戦いだと日本は引いて守られるケースが多くなる。そこで前線でしかりタメを作って味方が上がってくる時間を作れるターゲットマンは必要不可欠だ。浅野や上田はそういう仕事もできるFWだが、今回招集されていない古橋亨梧、前田大然の両セルティック勢は少しタイプが違う。
そういう意味でも細谷にはアドバンテージがある。タイ戦で大仕事を見せられれば、アジアカップ行きも確実になりそうだ。
もう1つの選択肢として、南野拓実(モナコ)のトップ起用というのも考えられる。28・29日のミニゲームで南野はずっとFWでプレー。30日のクロス練習では左サイドでもプレーしたが、森保監督ができるだけゴールに近いポジションで使おうとしているのが色濃く感じられる。
今季フランス1部前半戦で5ゴール・4アシストという目覚ましい数字を残せているのも、2シャドウの一角としてフィニッシュに絡む回数が増えているから。1トップと2シャドウでは役割が異なるものの、今の南野なら十分体も張れるし、多彩な仕事をこなせるはずだ。
そのあたりもタイ戦でテストしておいた方がいい。仮に細谷がスタメンだったとしても、後半途中から南野の1トップというのは試すべき重要ポイント。指揮官にはより柔軟な采配を強く求めたい。
(取材・文/元川悦子)