■「このままじゃ絶対に厳しい」
左サイドから多くのチャンスをもたらしたDF松原后も「僕もＪ１でずっと戦ってきて。このままじゃ絶対に厳しいのは明確だし、それぞれがどういう意識で、Ｊ２という強度やゲームスピードを早く意識から取り除いて、Ｊ１に順応していかなきゃいけない」と厳しく語った。代表基準を知る横内監督も、Ｊ１で優勝する基準から見れば、現時点でも半分ぐらいしか上げられていないことを認める。
山田キャプテンも３つの星を持つ磐田が優勝争いに加わり、ゆくゆくアジアの頂点を目指せるクラブに戻ることを思い描きながらも、来年の戦いに関しては「最低限、J1残留になると思いますけど、まずはJ1でも通用するというところを自分たちに対しても、外に対しても示さないといけない」と主張する。
もちろん目の前の試合に１００％で挑んでいく横内監督の基本姿勢は変わらないにしても、開幕に向かう上で立ち位置は認識しておく必要がある。あくまで来年の磐田は”昇格組”であり、チャレンジャーなのだ。
基本強度をさらに高めながら、守備のプレッシャーが強くなる相手に対して、いかにビルドアップで剥がしていくのか。良い出口を探しながら、探しきれない時に蹴るのか、戻すのか。そういった判断の共有は横内監督が就任１年目だった今年よりも、来年のキャンプではより取り組んでいけるだろう。
（取材・文／河治良幸）
（後編へ続く）
