■称賛すべきチーム
後藤「ヨーロッパでも、バルセロナのティキタカ全盛の時代から、カウンタープレッシングへとトレンドが変わっていった。その波が何年か遅れて、日本にやってきたと考えるべきなのかな。そうだとすれば、しばらくはこういう時代が続くということ。あるいは、現象的に同じことが起きたかもしれないけど、川崎と横浜のチーム力がたまたま少し落ちただけだったのか。今年の趨勢が数年続くのかは、まずは2024年のJリーグの様子を見ないといけませんね」
大住「今年のJリーグでは、アビスパ福岡も時代の変わり目のトレンドをうまくものにして、力をつけてきたという感じがしたよね。ルヴァンカップの決勝も見事な試合だったし、12月18日のシャフタール・ドネツクとのチャリティマッチを見ても、このチームは本当にこの1年間で伸びたなと思った」
後藤「コレクティブに戦っていたよね」
大住「チームトータルでの戦い方をするよね。シャフタール戦ではブラジル人選手は不在で、チーム得点王の山岸祐也もいなかったけど、チームとしてのプレーレベルが全然落ちないんだよ。すごいなと思った。たぶんああいうサッカーが、世界の流れなんだろうし、その基準にたどり着こうとしているのが、長谷部茂利監督率いる福岡のすごいところだと思う。チームの方向性に悩んで、右に行ったり左に行ったり、進路を変え続けるチームは少なくないんだけど、福岡はすごく筋が通っているように感じる」
後藤「そうそう。長期にわたって一人の監督に任せて、ひとつの方向性を示していく。監督をコロコロ変えて失敗するチームも多い中で、福岡のようなチームがちゃんと強くなるというのは、良いことだよね」
大住「本当だよ」