「ヴィッセル神戸は時代の変わり目を逃さなかった」「長期政権で方向性を示したアビスパ福岡」【日本代表・五輪・J…日本サッカー2023/2024の激論】(4)の画像
2023年、ヴィッセル神戸が悲願のJ1初制覇を成し遂げた 撮影:中地拓也

 2023年、日本サッカー界は成長を続けた。ドイツ、スペインを撃破した2022年のカタール・ワールドカップに続き、アウェイの地でリベンジに燃えるドイツを返り討ちにするなど、世界を驚かせ続けた。その成長は、2024年も続くのか。日本サッカー界の成長への期待と、そのために必要なポイントについて、ベテランサッカージャーナリストの大住良之と後藤健生が、年をまたいで燃え盛る激論を交わした。

■時代の変わり目

――日本代表から日本国内の2023年に目を移すと、やはり最大のトピックはヴィッセル神戸のJ1初優勝です。

後藤「ここ数年は川崎フロンターレと横浜F・マリノスというすごく攻撃的なチームが点を取りまくって勝つリーグだった。マリノスは準優勝だから低迷と言うのはおかしいけど、その2チームが去年までの姿を考えると期待外れに終わった。川崎は8位にまで落ちてしまったし。攻撃性という意味では、ここ数年と比べてリーグの展開としては少しつまらなかった。守備の戦術がより発展して、その象徴的なチームが優勝したということだね。良い悪いではなく、リーグの中身が変わったよね」

大住「ひとつの時代が終わったかな、という感じがする。風間八宏さんがベースをつくって、鬼木達監督が引き継いだフロンターレと、アンジェ・ポステコグルーが改革を起こして、ケヴィン・マスカット監督が引き継いだマリノス。引き継ぐことでプレーのエンターテインメント性に勝利が重なっていき、2チームで6年間もJ1の優勝を分け合ってきた。でも、今年のJ1リーグを見ていると、フロンターレもサッカーを変えていかないと次のタイトルはないぞ、という感じを受ける。鬼木監督はこれまでもだいぶサッカーを変えてきたとは思うけど、マリノスはプレーレベルが落ちてきて、何とかブラジル人選手の得点力で勝ってきたというシーズンだった気がする。6年間、夢のようなサッカーを見せてくれた2チームだけど、その時代は終わった。その時代の変わり目を逃さず、神戸は元日本代表、あるいはヨーロッパから帰ってきた日本人選手たちの高い能力をベースとして守備も攻撃も全力でやり抜くという、すごく真面目なサッカーをして優勝した、それもまた、高く評価すべきだと思う」

  1. 1
  2. 2