【J1川崎が取り組んだ23年の「成長」は、24年にどうつながるのか(1)】個人とクラブの成長につなげたタイトル獲得の連鎖……「6つの星」を7つ目に変えての画像
川崎フロンターレは天皇杯を制した 撮影:中地拓也

 川崎フロンターレの2024年シーズンは、1月11日に行われる必勝祈願と「新年ご挨拶周り」から始まる。その後、川崎市内でトレーニングを開始して沖縄キャンプへと移り、20日には新体制発表会も開催される。そのシーズンを前に、昨季、選手はどのような「成長」を遂げたか振り返りたい。

 2023年シーズン、鬼木達監督はシーズン序盤から「成長」という言葉を重要視していた。クラブからのオーダーもあってのことで、シーズン序盤に、「クラブとしても自分としても」とその必要性を強調。初めて指揮を執った2017年から7年目のシーズンに、新たなテーマに挑んでいた。

 実際、その23年シーズンは、「成長」という言葉が持つ光の要素と、そのために必要な影の要素が入り混じるものだった。序盤になかなか結果に結び付けられなかったのは、続出した負傷者という要素とともに、成長を待ち、そして促す時期でもあったから。そして後半戦に至るにつれ、勝利を積み重ねていく。天皇杯のタイトルはその最たるもので、9月から始まったACLグループステージの6戦無敗も、リーグ後半の無敗も、序盤とは違う結果だった。

 たとえば天皇杯決勝での柏レイソル戦は、内容的には苦しいものだった。90分+延長30分においては、シーズン序盤に見せた試合内容に似ていたかもしれない。しかし、成長と結果を手にしてきた中で勝負強さや信頼感が蓄積されており、大事なところで大事なプレーをすることができた。

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