【川崎の天皇杯優勝のために山根視来が貫いた“戦う集団”の意識(2)】「もともとうるさいチームではないですけど」とチームに欲した“勝つメンタリティ”…「キャリアは関係ない」の画像
ACL蔚山戦でプレーする川崎フロンターレの山根視来 撮影:中地拓也

 実際、川崎フロンターレ山根視来は11月9日の時点で、柏レイソルとタイトルを懸けて戦う12月9日の天皇杯決勝を意識していた。

「カップ戦のそういう一発勝負とかACLもそうですけど、そういう大会はリーグ戦とはまた違うやり方とか気持ちの入れ方になる。リーグ戦よりフォーカスしやすい大会かなと思いますけど、そういう失点をしていても勝てているのが逆にそうさせているのかな、先制点も取れるようになってきたし。だけど、それじゃ自分たちが手にしたいものには届かない」

 山根は2020年から川崎に所属。この年にJリーグと天皇杯の2冠を達成し、翌21年にはJリーグで連覇を達成している。そして2022年はタイトルを手にすることができなかったもののリーグ戦では2位に。そしてこの年、山根個人はカタールワールドカップを戦うサッカー日本代表メンバーに出場している。

 プレッシャーを感じながら、それでも成長を続ければこそ手にしたものであり、だからこそ、気持ちは強くなる。結果だけでなく、次につなげるべく内容も見直さなければいけない。その山根がこうも続ける。

「もともとうるさいチームではないですけど、練習中からもやっぱり静かな雰囲気とか、なんかまったりした空気っていうのがあると、キビキビ切り替えなければいけないところでうまくいかなかいシーンがある。“もうちょっとやろう”っていう声もベテランの選手から出てましたし、そういう声が出ること自体がまずレベルが低いのかなと思う」

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