レジェンド監督の抜擢で常勝軍団復活を目指しながら、思うように物事が進んでいない鹿島アントラーズ。だが、吉岡文重FDは12月3日のJ1最終節・横浜FC戦後のメディア対応で「鹿島らしくあるためには『鹿島とは何か』を分かっていて。フィロソフィーを理解して体現できる選手の存在は必要。このクラブはこれからもそれを大事にしていく」と発言。この先もDNAを持つ人材を重視していく構えを見せた。
今季を振り返ってみると、かつて鹿島でAFCチャンピオンズリーグ(ACL)やリーグタイトルを獲得した経験のある昌子源、植田直通を呼び戻した。2022年1月にシントロロイデンから復帰した鈴木優磨を含め、前線と最終ラインにDNAを持つ人間を配置することで、勝負強さを取り戻し、ここ一番で勝てるしぶとさを示したいという思惑がクラブ側にはあったのだろう。
このうち植田は34試合フル出場と圧倒的な貢献度を見せ、鈴木優磨も国内キャリアハイの14ゴールをマーク。2人の存在価値は非常に大きかった。特に鈴木優磨はピッチ上で若手に厳しい要求をたびたび突きつけており、「満男さん(小笠原=鹿島アカデミー・テクニカルダイレクター)がいた頃のような厳しさや激しさを練習から生み出したい」と考えていたと見られる。