■読みはシンプルな韓国
韓国語では「チ」の発音が2種類あります。発音する時に息を強く出す「チッ」と息を出さない大人しい発音の「チ」です。同じように「ヨ」にも口の形が違う2種類ありますし、「ン」も「N」の場合と「NG」の場合の2種類があるのです。ハングル表記ならどの漢字の「チョンさん」なのかかなり絞り込めます。しかし、カタカナ表記ではすべて「チョン」になってしまうので、元の名前が何なのか復元できなくなってしまいます。
だから、本当は違う名前なのにカタカナ表記にすると同姓同名になってしまうこともあります。現役選手ならまだしも、20年前の試合の記録を見たら、本当にその「チョンさん」がどのチョンさんなのか分からなくなってしまいます。
ちなみに、韓国語では漢字に訓読みはありませんし、音読みも1つの漢字には原則として1つの発音しかありません。
日本では1つの漢字に音読みと訓読みがあり、さらに、音読みにも「呉音」とか「漢音」とか、いくつも読み方があります。ですから、日本人の名前は漢字を見ただけでは発音できません。