■サッカーに欠かせない四角形
メートル法でピッチのラインを描いている日本。審判員たちは、試合前のピッチチェックに当たってゴールラインとゴールエリアの角に立ち、もう一方のゴールラインを見通したとき、センターサークルがわずかに小さいことまで確認し、ひそかにうなずいているのだろうか。
競技面では、ゴールエリアはたしかに存在感が薄くなってしまった。しかしだからと言ってゴールエリアをなくしてしまおうという人がいたら、私は強く強く反対するだろう。なにしろ現在のサッカーピッチのライン、デザインは、この世の中で最も「完璧」に近いもののひとつだからだ。サッカーグラウンドを描いてゴールエリアのラインを引かなかったら、「モナリザ」の口元に不思議なほほ笑みがないような物足りない思いをするに違いない。