■死語となった言葉
ところが1997年のルール改正でこの条項が削除され、GKに対する危険なチャレンジ、たとえばジャンプしてボールをキャッチしようとしているGKに空中で接触したりすれば反則に取られるが、味方からのパスを受けてゴールエリア内でドリブルしているGKの肩に肩でチャージしても、反則とはならない。「キーパーチャージ」は、完全に「死語」なのである。
そして「キーパーチャージ」の消滅とともに、ゴールエリアもとても存在感の薄いものになった。通常の試合では、ただただ、ゴールキックのときにボールをセットできる範囲を示すだけのものとなってしまったのである。そしてそのゴールキックが「けられて明らかに動いたときにインプレーになる」となった2019年のルール改正により、GKがボールをゴールエリアの角にセットし、ゴールラインまで下がって助走し、思い切りキックするという姿を見かけることもほとんどなくなった。ゴールエリアの影はますます薄くなっているのである。