大住良之の「この世界のコーナーエリアから」第126回「小さな四角の存在意義」(2)完全に「死語」となった「キーパーチャージ」という言葉の画像
あまり「実用性」はなくても、グラウンドキーパーはけっして他と差別したりしない、きちんと距離を測り、正確そのもののラインを引く (c)Y.Osumi

 サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト大住良之による、重箱の隅をつつくような「超マニアックコラム」。今回は、「あれって、何のためにあるの?」

■注意を引かないゴールエリア

 第13条には、もうひとつ、守備側がゴールエリア内でFK(直接、間接を問わず)を得た場合のプレー方法が記載されている。そのときには「エリア内の任意の地点から行うことができる」とされている。第16条のゴールキックとの整合性をとってあるのだ。その第16条では、ゴールキックは「ボールは、静止していなければならず、ゴールエリア内の任意のチームから」けられるとされている。言わずもがなのことだが、FKも、ボールは静止していなければならない。

「ゴールエリア」が出てくるサッカールールは、これで「以上」なのである。「数百試合に1回」の間接FKを除けば、ゴールキックなどはそう緊迫した場面ではなく、このエリアと、それを示すラインが人の注意を余り引かないことは十分納得がいくのである。

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