■ゴールエリアの存在意義

 では「ゴールエリア」の存在意義とは何なのか。

 このエリアは、第一義にゴールキックを行う地域として設定され、描かれた。現在の形になったのは、1902年のことである。そして後に、GKを守る重要なルールのよりどころとなった。1997年のルール改正まで存在した、いわゆる「キーパーチャージ」である。

 1996-97のルールまでは、「間接FK」になる反則として、以下のような条項が存在した。第13条の第4項である。

「次の場合を除いて、ゴールキーパーをチャージすること

 (a)ゴールキーパーがボールをもっているとき

 (b)ゴールキーパーが相手を妨害しているとき

 (c)ゴールキーパーが自分の側のゴールエリアを出たとき」

「チャージ」とは肩で相手の肩を押すことで、サッカーでは許されたプレーである。そうした「チャージ」でも、当時は、GKがゴールエリア内にいるときには反則とされていた。現象としては、ゴールエリア内で攻撃側がGKと接触したときにはすべて反則となっていたのである。

 ゴール前にボールが飛び、キャッチあるいはパンチしようとしたGKと攻撃側の選手が接触すると、いまでも「キーパーチャージ」と叫ぶ人がいる。少なくとも四半世紀を超すサッカー経験者、あるいはファンの証しである。

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