■感動の声が続出

 千葉のアカデミーで育ち、同クラブでプロデビューを果たした井出は、ケンペスと2013、2014シーズンにてチームメイトとして共闘。2014年3月に行われたロアッソ熊本戦で井出が相手GKと交錯して退場になったとき、井出に対して突っかかる熊本の選手の前にケンペスが入って取っ組み合いを制止した場面は、千葉サポーターの間では有名だ。

 その後ケンペスは2015年3月にジョインビレECへの加入が発表されると、同年12月にはシャペコエンセに移籍した。しかし2016年11月28日、そのシャペコエンセのメンバーたちを乗せた飛行機が墜落する事故が発生してしまい、搭乗していたケンペスを含む71人が死亡。世界中のサッカーファンが悲しみに包まれた。

 それから約7年が経過した中で、神戸で躍動する井出は先述したように優勝を手繰り寄せるゴールをゲット。そして、亡くなった元チームメイトのケンペスのゴールパフォーマンスであった「L」の文字をつくったのだ。

 井出がケンペスのセレブレーションを意識していたかどうかは本人から明かされていないものの、これを受けて、SNSでは2人に対する感動の声が続出している。

「Lってしてるなぁとは現地で思ってたけどあれはケンペスに向けてやったんや。これはグッとくる」
「本当に最高の恩返し」
「人間としても選手としてもめっちゃ好きになった」
「今日がケンペスの命日なんだね。こういうのって風化していくけど優勝が掛かってる試合で、普段と違って冷静になるのが難しいときにこれやる井出はかっこよすぎ」
「懐かしい。きっとケンペスも空で見てくれてるはず。遥也、改めておめでとう」

 神戸加入1年目となる今季、J1でここまで17試合に出場している井出。3日に行われる最終節のガンバ大阪戦でもゴールを挙げ、再びチームを勝利に導くことはできるだろうか。

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