■攻撃のギアを上げる交代カードが充実
渡邉晋監督が指揮する山形は、38節から5連勝でフィニッシュした。40節のザスパクサツ群馬戦は、90+1分のゴールで2対1の勝利を収めた。41節のいわきFC戦は、0対1から3ゴールを奪って逆転勝ちした。42節のヴァンフォーレ甲府戦も、63分に先制されながら82分、90+2分の得点で勝利した。
清水戦が同点のまま推移したら、山形は攻撃に出ていかなければならない。その意味で、いわき戦、甲府戦で追いかける展開を経験しているのは、チームの支えになるだろう。
清水とは対照的に、攻撃のギアをあげるカードは揃っている。左ウイングではFWチアゴ・アウベスとFW宮城天が、先発でも途中出場でも結果を残してきた。右ウイングは6得点5アシストのFWイサカ・ゼインに加え、パワフルな突破が魅力のMF横山塁が控える。CFはシーズン10ゴールのFW藤本佳希がファーストチョイスだが、ブラジル人ストライカーのデラトーレが好調だ。途中出場となったいわき戦と甲府戦で、2試合連続ゴールを記録している。
清水が得意とする先行逃げ切りへ持ち込ませないためには、相手のキーマン・乾から自由を奪うのが必須だ。MF南秀仁とMD高江麗央のダブルボランチがその役割を担うが、乾をケアしながら白崎とホナウドのダブルボランチにも目を光らせなければならない。4-2-1-3のシステムでトップ下に入る後藤優介を含めた3人が、守備面で連携を見せていく必要がある。
もうひとつのポイントは、相手のシステム変更への対応だろう。清水は4-2-3-1でスタートし、試合途中から3-4-2-1へ立ち位置を変えてくる。どちらのシステムと対峙しても相手を確実につかまえ、システムが内包する弱みを突くアプローチを、ピッチ上で素早く実践したい。
山形には頼もしいデータと、不吉なデータがある。12年から17年まで行なわれたJ1昇格プレーオフで、年間5位のチームはトーナメントを勝ち抜いたことがないのだ。その一方で、過去のJ1昇格プレーオフとJ1参入プレーオフで、山形は1回戦で負けたことがない。6位で出場した昨年のJ1参入プレーオフでも、3位のファジアーノ岡山に3対0で快勝している。
清水と山形のリーグ戦の対戦は、どちらもホームで勝利し、1勝1敗に終わっている。3度目の対戦は、どのような結末を迎えるのか。キックオフは25日13時だ。