Jリーグ史に残る劇的な直接FK弾が、再び脚光を浴びている。
12月17日に予定されている元サッカー日本代表のレジェンド、中村俊輔氏の引退試合「SHUNSUKE NAKAMURA FAREWELL MATCH」へ向けて、公式エックス(旧ツイッター)では、11月15日から「SHUNSUKE SELECT」と題し、中村氏が現役時代にJリーグで見せたベストプレーを本人が30個選ぶ企画がスタートしている。
そして「No.4」に選ばれたのが、横浜F・マリノス時代の2012年10月27日に行われたJ1リーグ第30節名古屋グランパス戦での試合終了間際の直接FK弾だった。
エスパニョールからJリーグ復帰3年目、当時34歳だった中村は、背番号25を付けて左サイドMFとしてスタメン出場。試合は両チームの意地のぶつかり合いとなって0−0のまま時間が進んだ中、後半42分に名古屋が玉田圭司のゴールで均衡を破る。だが、後半アディショナルタイム、ゴール前で富澤清太郎が吉田眞紀人に倒され、横浜FMが直接FKのチャンスを獲得する。
ゴールまでの距離、約23m。丁寧にボールをセットした中村は、短い助走から宝刀を振り抜く。勢い良く放たれたシュートは、ジャンプした壁の左上を越えると鋭く曲がり落ち、GK楢崎正剛の伸ばした腕をくぐり抜けて左ポストの内側に直撃。跳ね返ったボールが楢崎の背中に当たってゴールに吸い込まれた。