■アジアサッカーへの影響
パレスチナ紛争は、中東優位で動いていたアジアのサッカー界にとっても他人事ではすまない。
アジアのサッカー界では、これから様々なイベントが予定されている。9月にはすでにACLの新シーズンが開幕しており、11月には2026年ワールドカップに向けたアジア2次予選が始まる。12月にはサウジアラビアでFIFAクラブ・ワールドカップが予定されており、そして2024年1月にはカタールでのアジアカップが開幕する。
パレスチナはAFCの正式加盟国であり、イスラエルに広大な土地を奪われ、多くの国民が難民化した困難な状況にあるにも関わらず、FIFAランキング96位の実力を持っており、ワールドカップ2次予選の組分け抽選ではポッド2に入っていた。
そのパレスチナ代表は11月16日にはワールドカップ予選のレバノン戦(アウェー)、同21日にはオーストラリア戦(ホーム)が予定されている(パレスチナもレバノンも国内で試合が開催できる状況ではないので、会場はレバノン戦がUAEのシャルージャ、オーストラリア戦がクウェート市)。
しかし、イスラエルとの紛争がこれ以上拡大していったとしたら、パレスチナ代表の試合を予定通り開催できるだろうか? もちろん、「こんな時だからこそ、代表チームの活躍が必要」という考え方もあるが、多くの同胞が生命の危険に曝されるような情勢の中でパレスチナ・サッカー協会はどのような判断をするであろうか。
テロの脅威が拡大すれば、パレスチナ代表絡みの試合は開催できなくなるかもしれない。