【黄金世代の相次ぐ引退と残したもの(1)】看板・小野伸二が同世代の日本人選手にもたらしたもの。小笠原満男は「最後まで伸二には勝てなかった」の画像
引退を決意した北海道コンサドーレ札幌の小野伸二 撮影:中地拓也

 10月の日本代表ウイーク終了直後の19日、1979年生まれの黄金世代のGK南雄太(大宮)が今季限りで現役を退くことを正式発表した。

 2023年に入ってから本山雅志(鹿島アカデミースカウト)を筆頭に、高原直泰(沖縄SV代表・監督・選手)、小野伸二(札幌)と99年ワールドユース(現U-20ワールドカップ=W杯)・ナイジェリア大会準優勝メンバーが続々と引退を決断。「1つの時代の終わりを痛感させられた」という感想を抱くサッカー関係者やファンも少なくない。

 今でこそ、日本サッカー界は7大会連続W杯出場を果たし、三笘薫(ブライトン)、冨安健洋アーセナル)、久保建英(レアル・ソシエダ)のように欧州最高峰リーグで活躍する選手も少なくない。だが、Jリーグ発足間もない90年代後半は世界との差が大きかった。A代表はおろか、年代別代表が世界大会に出ることさえ至難の業だったのだ。

 黄金世代はその状況を一変させる大きな原動力となった。小野や高原、稲本潤一(南葛SC)らは95年U-17W杯(エクアドル)に史上初めてアジア予選を勝ち抜いて出場。ちょうど2002年日韓W杯招致活動のタイミングにチーム強化が進められていたため、彼らは10代の頃から欧州、南米、アフリカなどを転戦。貴重な国際経験を養うことができたのだ。

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