カナダ戦とチュニジア戦に共通した「圧力の減少」という問題【サッカー日本代表のさらなる成長へのポイントは「ゲームコントロール」】(2)の画像
チュニジア戦で鈴木は最後の最後に冷や汗をかいた 撮影:中地拓也

 サッカー日本代表が10月シリーズを終え、連勝記録を伸ばした。充実の時を迎えているように映るが、成長の余地はまだまだある。日本代表がさらなる高みを目指すためには、何が必要なのか。サッカージャーナリスト・大住良之がつづる。

■終盤のピンチ

 チュニジアは個々に非常に守備能力が高い選手をそろえており、しかもそうした選手たちが「5バック」で守備ラインに数をそろえていた。日本代表が決定的なチャンスを数多くつくれなかったのも仕方がない。

 問題は後半のなかば過ぎだった。前線からの追い回しと、ボランチやDFラインの連動が弱くなり、ボールを奪回するポイントをつくれず、相手に自陣深くまで押し込まれる時間が続いたのだ。アディショナルタイムには、日本から見て右サイドから入れられたクロスを長身(192センチ)のFWハイセム・ジュイニにヘッドで合わされ、競った冨安の頭に当たったボールがポストを直撃するというピンチがあった。

 結果的には、このヘディングが90分間を通じてチュニジア唯一のシュートだった。日本の守備は後半も崩れたわけではなかったのだが、終盤に押し込まれる形が続くというのは、4-1で勝ったカナダ戦にも共通しており、両試合を通じて終盤に相手への圧力が減るという状況は考えるべきポイントのように感じた。

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