■森保監督の見解

 もちろん、90分間相手に高い強度のプレスをかけ続けることなど、未来のサッカーではともかく、現在は現実的な話ではない。しかもカナダもチュニジアも昨年のワールドカップ出場チームであり、世界的に見てもレベルが低いわけではない。そうした相手が、「リードされた(日本がリードした)」状況のなかでリスクを冒して攻撃に人数を投入し、圧力をかけてくるのは当然である。

 しかも6人まで交代できる親善試合。できる限り多くの選手にチャンスを与えたいという狙いの選手交代もあり、それによって守備の連係が微妙にずれることもある。

 「前線の選手を交代させて強度を保ちたかったが、ケガやコンディションの問題でDFに交代枠を使ってしまったことも原因かもしれない」

 試合後、森保一監督は終盤に相手への「圧力」が落ちた理由をこう説明した。

 カナダ戦では、前半から相手に攻め込まれ、ボールを奪っても押し返せない時間帯が繰り返し生まれた。それに対しては、森保監督はこう話した。

 「先制した後に押し込まれるなか、奪ったボールを攻撃につなげられなくなった。もっとボールの動かし方を考えないといけない」

 共通する問題点は「ゲームコントロール」である。プレスが効いている時間には、その守備からどう攻撃をコントロールするか、プレスが効かない時間には、どのように守備のブロックをつくり、どこで奪うのか。奪ったボールからカウンターをかけるのか、まずしっかりとキープするのか。そして、押し込まれた状況になってボールを奪ったとき、どう攻撃を組み立てていくのか、そのときFWはどんな役割を果たすのか…。

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