「ワールドカップ予選の良いシミュレーションになった」「リバプールに行って遠藤航が成長したパスの凄み」昨年大敗のチュニジア相手のリベンジの手応え!【ワールドカップ出場国に連勝!サッカー日本代表「10月」の激論】(1)の画像
すごみを増した遠藤 撮影:中地拓也

 サッカー日本代表の10月シリーズの2試合が終わった。カナダ代表とチュニジア代表という昨年のカタール・ワールドカップ出場国を相手に、またも勝利を重ねた。この2試合から、今後へつながるどのような収穫と課題が見えたのか。2人のベテランサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が徹底的に語り合う。

■示された「本当の強さ」

――今回、満足な2勝だったでしょうか。

大住 カナダ戦はちょっとギクシャクしていた感じがあって、チュニジア戦は選手たちの動きはすごく動きがシャープだったけど、相手が強かったので、なかなかクリアチャンスをつくれなかったよね。チュニジア戦で前半のうちに取れたゴールは、相手にとってのアクシデントみたいなものが絡んでいたけれども、決めた古橋亨梧は落ち着いていた。チュニジアのように守りを固める相手をどう攻め崩すかというのが、これから始まるワールドカップ・アジア地区予選における一番のテーマだから、良いシミュレーションになったし、それがチュニジア戦で一番良かった点じゃないかな。

後藤 チュニジア戦だけ見に来た人は「2ゴールしか見られなかった」と嘆いているかもしれない、というくらい現在のチーム力はすごいね。ただ、チーム状況は完璧には程遠かった。カナダ戦では最終ラインにかなり新しい選手を入れたので、ある程度ギクシャクするのは仕方ない。チュニジア戦では、ワールドカップに行くはずだった中山雄太も戻ってきて、本来のメンバーが多かったけれども、9月にドイツ代表とトルコ代表に連勝した時と比べたら、コンディションが悪そうな選手がいた。しかし、決して状態は完璧じゃないのに、あんなに強いチュニジア相手に2点じゃ物足りないと感じさせるくらいなんだから、本当の強さを目にしたと感じたな。

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