11月のワールドカップ予選はJリーグ組抜擢のチャンス【「10月シリーズ」サッカー日本代表の現在地】(3)の画像
抜擢に応え続ける毎熊らJリーグ組を試す価値は十分にある 撮影/原壮史(Sony α1使用)

 サッカー日本代表は現在、「10月シリーズ」第2戦のチュニジア戦のキックオフを待っている。13日のカナダ戦には快勝したが、この10月の2試合をどう活かし、今後へつなげていくべきなのか。日本代表の「現在地」をサッカージャーナリスト・後藤健生が探る。

■際立つ選手層の厚さ

 こうして、25分以降は再び日本が自分たちでボールを動かして相手を翻弄。さらに、前線でのプレッシングによって相手のミスも誘発させた。そして、伊東純也のクロスにスタッド・ランスの同僚である中村敬斗が合わせたり、中村がFKからゴールを狙ってクロスバーを直撃したり、さらには毎熊晟矢が強烈なミドルシュートを放つなど、日本代表は多くの決定機を生み出し続けた。

 そして、前半終了直前に2ゴールを追加する。40分の2点目は、最後はデービスのオウンゴールとなったが、左サイドで中山を起点に浅野拓磨、中村、田中碧南野拓実が絡んで高速のパスが回ったことによって、カナダの守備陣が付いていけなかったことがオウンゴールにつながったのだ。

 その直後にはカナダ選手のコントロール・ミスにつけ込んで浅野がボール奪って、中村の得点をお膳立て。前半だけで3得点を奪って勝負を決めた。

 日本代表は、後半開始直後にも中山のスルーパスを受けた南野と伊東が浮き球をうまく処理してゴール前に落とし、田中が強烈なボレーシュートで、この日2得点目を決めた。

 その後は、両チームが次々とメンバーを変えたことで事実上試合は終わってしまったが、4点の大量リードを奪ったことで、森保監督はさらに余裕を持って多くの選手を試すことができた。

 また、中村の負傷は不幸な出来事だったが、このアクシデントによって急遽投入された旗手怜央も期待通りのプレーを見せてくれた。

 いずれにしても、多くの選手をテストするのが目的のような試合で4ゴール快勝。日本代表の強さを改めて証明した試合だった。日本代表は、6月シリーズ以来、5試合連続で4ゴール以上を決めたことになる。選手層の厚さは際立っている。

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