■ヨーロッパ組を温存すべき理由

 そんな試合(ミャンマー戦)には、ヨーロッパ組を全員呼び寄せて戦う必要はないだろう。

 ヨーロッパのクラブで活躍している選手たちは、代表の活動の度にヨーロッパと日本の間の長距離移動を強いられる。

 そんな影響でクラブでのポジションを失ってしまったら、日本代表の強化にも及ぼす影響は小さくない。しかも、来年1月になればアジアカップが始まるので、代表選手たちは1か月の間、クラブを離れなくてはならないのだ。

 クラブでのポジションを失ったら、代表強化のプランも大きく崩れることになる。

 だから、11月のミャンマー戦では、「どうしても」という選手を除いて、Jリーグ組でメンバーを固めるべきだろう。

 それによって、Jリーグ組の若手選手が日本代表の戦力となりうるのかを見極めることができるはずだ。そして、ヨーロッパ組はドイツなり、ドバイなりに集合して、ゆっくりと調整や戦術トレーニングを通じてコンディションを万全にしてアウェーのシリア戦を目指すべきだ。

 Jリーグ組を抜擢して代表の選手層をさらに分厚くし、ヨーロッパ組の負担を少しでも軽減するためにはこうしたやり方も必要だろう。今の日本の選手たちは、戦術理解能力が高いので、新戦力で固めたチームでも十分に戦える事は間違いない。

 観戦しているわれわれは、格下相手の戦いでは勝っただけでは喜べない。その時のチーム状態によって、日本のランキングも上下するはず。早く予選を突破して、強豪と戦う機会を増やしていってほしいものだ。

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