マチェイ・スコルジャ監督が率いる浦和レッズは日本と同じ4―2-3-1を基本システムとしており、流れの中では4-1-4-1のような形になることも多い。伊藤敦樹も「代表と似ているところはあると思います」と語るが、ゲームコントロール力のある岩尾憲と2ボランチを組むことが多く、伊藤敦は持ち前の機動力や推進力を活かして、どんどん前に出ていくプレーで評価を高めた。6月のシリーズで初めて、伊藤敦を追加招集した森保一監督も、そうした伊藤敦の持ち味を高く評価していることは間違いない。
しかし、6月シリーズの1試合目となるエルサルバドル戦で、森保監督は後半途中、4-1-4-1のアンカーを務めていた守田英正に代わり、合流したばかりの伊藤敦をこのポジションで起用した。センターバック経験がある185cmの大型ボランチのポテンシャルをぶっつけで確認したかったのかもしれない。9月のトルコ戦で、代表2試合目にしてスタメンで出場した伊藤敦は田中碧とのコンビで、どちらかといえば8番に近いポジショニングから積極的に攻撃参加する形で、代表初ゴールも記録した。
「代表の中では2ボランチだったり、カナダ戦は4ー1ー4ー1、4ー3ー3のフォーメーションだったので。そこでは6番より8番の方が前に出ていきやすいですし、それで行った時のほうが自分の良さが出ると思っているので。そこは8番の方が出しやすいかなと思います」
そう語る伊藤敦は「8番の方が自分的にはチーム(浦和)でも、そこの8番としての動きの方を要求されるので。そこでは自分の良さが出しやすい」と言うが、カナダ戦のような6番に近い役割を託されることで、中盤の選手として幅が広がることに対して、伊藤敦も「色んなところでできた方が、自分の可能性も広がると思うので。そこにはもっともっとチャレンジしていきたい」と前向きに捉えている。